水中のイクメン!タツノオトシゴの不思議な生態とは?

謎めいた海の深淵に、小さな驚異が潜んでいる。
その名は「タツノオトシゴ」
広大な海の中で、風と波に揺れる生命の一瞬を感じさせるような、神秘的な存在である。
鱗のきらめきが星座のように光り、優雅に泳ぐ姿はまるで水中の詩。
深淵の謎に包まれたこの小さな生きものが、我々に語りかけるかのように、冒険の扉を開ける。

どうもあっきーです!

つい先日新宿のリコーイメージングギャラリーで5月22日から6月3日まで開かれている水中写真家の尾崎たまきさんの写真展、「姫竜が織りなす愛の物語」を見てきました。

写真展をみていて、

「そういえばタツノオトシゴのことについて何も知らないなぁ」

と感じたので色々調べてまとめました!

そこで今回はタツノオトシゴの生態について紹介したいと思います。

タツノオトシゴの生態

タツノオトシゴはトゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属という魚の総称です。

他にも「ウミウマ」「ウマノコ」「タツノコ」など呼び名があります。

英名は「seahorse」シーホースで直訳すると海馬という意味になりますね。

タツノオトシゴは魚の一種であり、その特徴的な外見は曲がった首と尾、垂直に立った姿勢です。

通常、直線的な魚の体型とは異なり、垂直に立って泳ぐことができます。

また、体表には鱗ではなく、硬いプレート状の皮膚があります。

タツノオトシゴは、しばしば環境に合わせて尾を巻きつけることができます。

これは、周囲の物体や海藻に絡ませることで、よりよく擬態するための適応です。

通常、タツノオトシゴはゆっくりとした泳ぎ方をします。

その特殊な形状からくる制約もあり、迅速な泳ぎは難しいのです。

代わりに、周囲の環境に溶け込み、獲物を待ち伏せるのに適しています。

タツノオトシゴは生息地の喪失、漁業による乱獲、観賞用の取引などにより、一部の種類が絶滅の危機に瀕しています。

持続可能な漁業と保護の取り組みが重要です。

部位名称

  1. 背びれ
  2. 尻びれ
  3. 尾部
  4. 胸びれ
  5. 頂冠

寿命

種によりばらばらですが約1〜5年ほどで体の大きい種ほど長生きする傾向があります。

中には12年間生きた記録もあり、反対に1年に満たないものもいます。

一般的なシーホース(Hippocampus属の種)の寿命は、通常2〜4年程度です。

これは、環境の変化や生息地の条件にも影響されます。

ピグミーシーホースの寿命は一般的に約1〜2年ほどです。

彼らは小型で、サンゴの中に住み着いていることが一般的であり、環境への適応が寿命に影響します。

寿命が相対的に短い理由として、彼らが捕食者に対する防御策として擬態を用いていること、また生息地の特殊な環境に適応しているためと考えられます。

棲息環境

ほとんどが30mより浅い場所に住んでいて、中には水深100mの深場に住むものもいます。

暖かい海の浅瀬、海藻やサンゴ、マングローブなどの岩礁地帯など種によってさまざまな海洋環境に生息しています。

世界中の熱帯・亜熱帯の海域に広く分布しており、特にオーストラリア周辺の海域に多く見られます。

食べ物

動物プランクトンや小さな甲殻類を主に食べます。

口に入るサイズなら稚魚なども食べるようです。

吸い込むようにして食べ、そのとき「コツコツ」と小さな音が聞こえるそうです。

食べる時以外にも聞こえるらしく、仲間とのコミュニケーションに使っているとも言われています。

何種類くらいいるの?

世界に生息しているタツノオトシゴの分類や種類についてはおよそ40~80種類くらいいると言われていますが、詳しいことははっきりわかっていないようです。

日本にいる標準和名が付いているタツノオトシゴの仲間はこの後紹介する新種2種類を含め10種類います。

オスとメスの見分け方

タツノオトシゴはオスだけにお腹に育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋のようなものを持っています。

カンガルーも同じものを持っていて、よくお腹から顔を出した子供を見ますがあれと同じです。

オスはお腹のカーブがゆるやかで子供がでてくる穴が見えます。

メスはお腹が丸くごつごつして見えます。

子供の時点では見た目は同じなので見分けがつきません。

タツノオトシゴの繁殖

よくタツノオトシゴで色々話題に上がるのがこの繁殖についてだと思います。

よく興味を引くような見出しを見かけますね。

オスが妊娠する!?

オスはお腹にある育児嚢という袋で、メスが産み付けた卵が孵化するまで守ります。

卵が入った育児嚢はパンパンに膨らんでその姿が妊娠しているように見えることからそう言われています。

また卵が孵化して子供が育児嚢から飛び出す瞬間がまるで出産のように見えるのもそのためです。

一度にどれくらい生まれるのか?

種によってばらばらでおよそ100~300匹くらいです。

大きな種になると1500匹、小さい種は10匹ほどのものもいます。

求愛~産卵

絆が深まってくるとオスは育児嚢に水を入れて膨らませて育児嚢の大きさと中が空であることをメスに示して、

「いつでも卵を受け入れる準備ができているよ」

とアピールします。

そしてメスのほうも産卵の準備ができていれば一緒に並んで求愛ダンスが始まります。

水底から泳ぎあがり同調し、タイミングや生殖器の位置を調整しあいます。

腹部を突き合わせてホバリングしメスがオスへ卵を受け渡します。

これが有名な求愛が成就したときのハートマークになる瞬間ですね!

誕生

オスの子育ては2週間~4週間。

育児嚢ははちきれんばかりに膨らんで、オスはかなり負担があるのかあまり動かなくなります。

そしてオスが激しく体をくの字に折り曲げ、力むようにすると中から1匹ずつ飛び出すように生まれてきます。

丸まった状態からパッと水中で開き、子供はすでに親と同じ姿でミニチュアサイズでかわいいですね!

オスが子育て中にメスは次の産卵の準備を始め、オスが無事育児を終え育児嚢が空くとまたこれを繰り返します。

新種のタツノオトシゴの仲間が続々記録!

2017年の11月に熊本県の水俣で発見された「ヒメタツ」と呼ばれる新種。

翌年の2018年には八丈島で発見されたことから「ハチジョウタツ」が新たに記載されました。

この発見は116年ぶりの出来事だそうで、ヒメタツ発見のきっかけは尾崎たまきさんがタレントとしても有名な「さかなクン」と一緒に潜った時だったそうで、さかなくんは今まで見たきたタツノオトシゴと明らかに違うと感じ、魚類学者の瀬能宏先生に見せ、その結果新種と判明したそうです。

ヒメタツ

出典:神奈川県立生命の星・地球博物館

特徴はタツノオトシゴより一回り小さく頭の突起(頂冠)が低いことと、背びれの基底近く側方に張り出す突起のようなものがあります。

ハチジョウタツ

出典:ズカンドットコム

日本で見つけられたピグミーシーホースの「ジャパピグ」の愛称で呼ばれていたものに

特徴は体が平たく背中の上部に三角の突起があります。

最後に

タツノオトシゴの生態についていかがでしたか?

見事なまでのイクメンっぷりで世の男性もぜひ見習うべきものでしたね(笑)

つくづく海の生物って不思議でおもしろいな~と思いますね。

もし海中でみることができたら超ラッキーですね。

ヒメタツの出産を撮影するのに何回も粘って試行錯誤し、何時間も潜って、そしてようやく立ち会えたのは真夜中だったそうで相当の苦労があったんだなあと写真家のプロ魂を感じました!

水俣の海ぜひ一度行ってみたくなりました。

それでは楽しいダイビングライフを!

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