どうも。あっきーです!
今回は海に生息しているエビやカニの生態について話したいと思います。
エビやカニと聞いてみなさんはどんなことを思い浮かべますかね?
ダイバーじゃない人は食べたらうまいとか?(笑)
僕は海の生物でエビ&カニがかなり好きです。食べものとしても好きです(笑)
見ていて飽きないし、動きもかわいい、フォルムも多種多様で、見つけたときはテンションがかなり上がります。
最近ではタオ島でテッポウエビがギンガハゼの隠れ家を一生懸命造ってあげていたところを見て心癒されましたね。
エビ、カニ、ヤドカリたちは深く掘り下げていくと底が見えないくらいとても奥深い!
まるで人間のように個性的で多種多様なんです。
それではそんなエビカニの生態について詳しく見ていきましょう!
エビ・カニの分類について
- 甲殻上綱(こうかくじょうこう)
- 軟甲綱(なんこうこう)
- 十脚目(じっきゃくもく)
分類群としては根鰓亜目(こんさいあもく)と抱卵亜目(ほうらんあもく)の2つに分類され、根鰓亜目はクルマエビ科とイシエビ科のことを差し、クルマエビ亜目とも呼ばれます。
抱卵亜目はこのクルマエビの仲間以外のエビやカニのこと差します。
オトヒメエビ科、フリソデエビ科、サラサエビ科、テッポウエビ科、ザリガニ類、アナジャコ類、イセエビ類、ヤドカリ類など幅広いです。
抱卵亜目であるメスは幼生が孵化するまでは腹筋にある腹支で卵を抱えています。
孵化する幼生は「ゾエア」や「フィロゾーマ」と呼ばれる発育段階で、はっきりとした眼や脚を持ちかなり親に近い状態です。
一方で棍鰓亜目であるクルマエビ類のメスは卵を抱えずに数十万という数の卵を水中へ放出します。
孵化する幼生は「ノープリウス」という発育段階で、眼や脚、体の分化はなくぼぼ未発達な状態です。
エビの孵化直後のノープリウス幼生。ゾエア幼生と比べると単純な作りになっており、大きさはおよそ0.1mmほど 出典:wikipedia
カニの孵化直後のゾエア幼生。眼や脚、体の分化がはっきりとしている 出典:wikipedia
各部位の名称と見分け方
頭部・脚部
頭部と脚部は硬いキチン質の甲羅で覆われて腹部のような体節はありません。
エビ類はほぼ同じ円筒形をしていますが、カニ類は洋ナシ型、ひし形、円形など様々なタイプがいます。
腹部
エビ類は腹部がしっかりしており、カニ類は体の下に折りたたまれています。
エビ類とカニ類を見分けるにはこの腹部がポイントですが、ヤドカリ類にはこの中間くらいのものもいます。
歩脚
いわゆる「足」の部分です。闘争や捕食により欠損していることがよくあるので、観察の際は見間違わないように気を付けましょう。ここはエビ、カニ、ヤドカリでそれぞれ特徴があります。
カニ類の第一歩脚は鋏(ハサミ)になっていて鋏足と呼ばれます。
人によっては手と呼んでいたりしますが、正式にはハサミの部分も足なんです。
エビ類は鋏を持たないものから第一歩脚が鋏になっていたり、第二歩脚が鋏になっていたり様々です。
ということでエビの足の数は全部で26本です。
ヤドカリ類は歩脚の数に特徴があり、見た目は3対6脚もしくは4対8脚に見えます。が、一般的にヤドカリ類は第4、第5脚が第一、第2脚や鋏足に比べ短く、第4、第5脚は貝殻を支えるために使われていて、見えにくいだけで存在しています。
ズワイガニは10本
タラバガニは8本
ヤドカリも8本
触覚
触覚頭部に2対の触覚を持っています。
第1触覚は水質の状態やえさのある場所を知るために、第2触覚は触診してものを判断するために使われます。
額
オトヒメエビ、イセエビの仲間を除くエビ類、額を持たないヤドカリ類、カニ類にみられる頭部先端の額のことです。
尖った角のようになっていたり、おでこのようだったりギザギザになっていたりします。
角の色合いや、ギザギザの数などで識別します。
エビ・カニが見つかるポイント
生活の場所
砂の中、岩やサンゴの隙間、がれきの下、海面動物、刺胞動物、棘皮動物と共生して生活しています。
イラモ
ウミウシ
ヤドカリ
ウニ
ヒトデ
テヅルモヅル
ナマコ
枝状サンゴ
キサンゴ
クサビライシ
ウミシダ
ホヤ
ムチカラマツ
イソバナ・ヤギ
ガヤ
ウミトサカ・ウミアザミ
ウミカラマツ
ケツノサンゴ
ウミエラ
イソギンチャク
ジョーフィッシュ
ハゼ
クラゲ
カイメン
二枚貝
海藻
こう見ると実は、いたるところに生息していて、多くの生態は見落としている可能性がおおいにあります。
エビ・カニの生態
行動
彼らは夜行性で捕食などのために活発に活動を始めるのは基本的に夜になり、昼間は物陰に隠れています。
食性
捕食性、腐肉食性ですが、海藻などを食べるものもいます。
繁殖
通常は雄雌異体ですが、雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)のものもいます。
雄性先熟とはオスが繁殖に参加した後、メスに性転換して繁殖に参加する個体のことです。
成長と寿命
エビやカニはすべて脱皮によって成長します。
脱皮により体の大きさ、体型も変化させ、さらに闘争で失った脚なども再生します。
寿命は1年のものから、10年以上生きると言われるものまで様々です。
観察のポイント
擬態化を見破る
エビやカニ達は岩や砂、海藻などに似た色合いだったり、これらを身に着けていたりするので難しいです。
事前に図鑑を頼りに、その個体はどんな場所でどんな魚や動物と共生しているのかなどを調べておきましょう。
また水中ライトを持っていれば当てることにより微妙な色の違いや影のでき方で見つけることができるかもしれません。
夜行性なので日中は岩やサンゴの隙間をじっくり探すと見つかる可能性が高いです。
そして定着しやすい種が多いので、その場所で見つけた時はいなくなってしまってもまた同じ場所で見られる可能性が高いです。
観察チェックリスト
見つけた種類についてできる限りメモを取っておきましょう!
- どんな場所に隠れていたか?
- どんなものと共生していたか?
- どんなものに擬態していたか?
- 一つの環境に何個体いたか?(2個体の場合はペアの可能性があるので大きさの違いなども)
- 個体の生態はどんな感じだったか?(すばやい、威嚇のしかた、捕食のしかた、オスかメスか)
参考文献
今回は僕がスペシャリティ座学で得た知識と併せて、こちらのガイドブックを一部参考にさせてもらいました。
サンゴ礁のエビハンドブック
著者は水中写真家で活躍されている峯水 亮さんで、全144ページの中に日本や東南アジアを中心としたエビがたくさん紹介されています。
ポケットサイズで持ち運びやすくいつでも見れるのでとても良いですよ!
エビ・カニガイドブック〜伊豆諸島・八丈島の海から〜
著者は八丈島ガイドである加藤昌一さんと、十脚甲殻類を専門とする奥野淳兒さんによるフルカラーの全157ページで主に八丈島で見られる個体を収録しています。
一つ一つに特徴と観察記録のような一言が添えられていて読んでいて楽しい一冊です。
エビ・カニガイドブック②〜沖縄・久米島の海から〜
こちらは上のガイドブックの続編というか沖縄方面のエビ・カニたちです。
著者は久米島のダイブエスティバン主宰の川本剛志さんと奥野淳兒さんによる全174ページによるえび・カニ・ヤドカリの仲間を約240種収録しています。
伊豆諸島・八丈島と多少重複する個体はありますが、やはり沖縄でしか見れない個体も多く全てを網羅したいなら2冊は抑えておくといいと思います。
最後に
エビ・カニの生態について参考になったでしょうか?
僕もまだまだマクロの目を養えていなくてガイドなしでは全然見つけられません!(笑)
肉眼で見てもギリギリ見えるものを見つけ出すガイドってホントにすごいと感心します。
これを機に関心がない方は興味を持ってもらえたらうれしいです。
はてさて僕がすべてをカメラに収めるのは一体いつになることだか、これからも気長に探したいと思います。
それでは楽しいダイビングライフを!