どうもあっきーです!
今回は銀座ソニーイメージングギャラリーで開催中の岡田祐介さんの写真展へ行ってきたので軽く紹介と感想を伝えたいと思います。
今回の舞台はアラスカ、北極海に生きるシロクマにフォーカスした内容です。
岡田裕介さんは、National Geographic写真賞の受賞を機に世界中の野生動物を独自の視点で写してきた写真家です。
今回の写真展では、秋のアラスカで奇跡的な1日を過ごし、その写真は、色鮮やかな空と海に映える極彩色の光景で、まるでおとぎの国のようです。
岡田さんは、この写真展を「人生の大切な宝物」と呼んでいます。
まずは今回の作品を展示するにあたっての思い、そして僕が個人的に印象的だった作品について触れていこうと思います!
今回の作品に対する思い
自然写真家として発表を躊躇していた、でも僕の人生の大切な宝物になっている記録…
それは10年前の秋のアラスカ。
大自然に生きる野生動物を撮影しながらダルトンハイウェイを北上し、北極海のシロクマに出会うべくセスナに乗ってカクトビックに降り立ちました。その日は、天気が良く思いだ海は鏡のよう。キラキラと輝く太陽を受けて泳ぐホッキョクグマの波紋だけが水面を揺らしています。
「こんな良い天気はそうはないぞ」
イヌイットの船長の言葉を聞き、日没の時間にもを出すことにしました。
刻一刻と色鮮やかになる日没後の空。その後に見た光景は、この世のものとは思えないものでした。
現地ガイドもイヌイットの人々も奇跡と呼んだ1日。あまりに特別なたった1日だけの記録。
あれから 10年…
この1日の存在が大き過ぎて、再訪することができぬままいつしか長い年月が経っていました。
自然写真は時間をかけ向き合って、積み重ねた上に成り立つ説得力がある。そう思う自分がいるからこそ、たった1日の記録を作品群として発表するのに購躇いがありました。しかし信頼する人たちが、みな口を揃えて「これは凄い!」と感動してくれる。そんな姿に背中をおされ、この”奇跡”は皆さんと分かち合うべきだと確信しました。満を持して発表します。
ようこそ 『WONDERLAND』へ。
岡田祐介
カクトビックってどこ?
アラスカのカクトビックとは、アラスカ州北東部にある人口240人ほどのイヌピアット族の村です。
北極圏に位置し、夏には北極海の氷が後退するため、ホッキョクグマが食料を求めて出没します。
村の人々は捕鯨を行い、クジラの肉をホッキョクグマと分け合っています。
また、オーロラを見ることができる場所でもあります。
調べてみると「イヌピアット」と「イヌイットは」、どちらもエスキモー系の先住民族ですが、文化や言語に違いがあります。
イヌピアットはアラスカ州北部に住む人々で、イヌクティトゥット語の方言の一つであるイヌピアック語を話します。イヌイットはカナダ北部やグリーンランドに住む人々で、イヌクティトゥット語の他の方言を話します。
イヌピアットは自分たちを「イヌイット」と呼ぶことを拒否しており、「エスキモー」または「イヌピアット」と呼ばれることを好むそうです。
ギャラリー内の様子
いつも通り入口にはあのアーティストであるGLAYやSUIZOから花束が届いていました。
ギャラリー内は落ち着いた雰囲気で、客足は堪えることなく来訪されていました。
入口から時系列順になっていて撮影を始めたのが確か午後2時ごろからとおっしゃっていて、最後は日没で終わるように飾られています。
印象的だった作品
30点ほどの数ある作品の中で僕の中で印象的だったものや気に入ったものを紹介します。
シロクマの群れとその周りに大きな骨がゴロゴロと転がっています。
これは最初に説明したようにカクトビックの村の人は捕鯨を行いクジラの肉をシロクマたちと分け合っています。
この骨はクジラのものなのです。
シロクマたちと比べてみてもクジラの大きさがよくわかる写真ですね。
こうした光景はなかなか見れないと思います。
僕はこの写真を見た瞬間思いました。
「この子達、きゃわー!!」
と。もうずっと見てられるなー!
こんな気持ちよさそうな顔で寝てるのを見るだけでほっこりしてきます。僕の中でこの写真が一番好きかも。
一頭のシロクマが水面から首あたりまで顔を出しどこか見つめている様子。
時刻としては夕暮れ時でしょうか?
もしかしたら暮れていく夕日をしみじみと眺めていて哀愁が漂った表情になっているのかもしれません。
そんな人間ぽさも感じさせる表情が印象的な1枚でした。
一頭のシロクマがどこか目指して歩いている様子。
日没後数分間のマジックアワーの最中かなと思います。
夜に向かう空の暗さ、ぼんやりと光るオレンジ、逆光で映し出されるシロクマのシルエットのグラデーションがとても綺麗です。
このシロクマは海へ向かっているのか、それとも陸地へ家族と合流するのか?
そんなストーリーを感じる1枚でした。
水面で2頭が向かいあっている様子。
おそらく体格から見て親子なのかなと思います。
遊んであげているのか、食べ物でもあげているのか、なんだか優しい時間が流れているようで好きです。
シロクマを中心に水面の波紋が広がる様子と、一面のオレンジに囲まれた中に佇む姿はとても幻想的に見えます。
最後に
アラスカのシロクマたち、いかがだったでしょうか?
10年の歳月発表を躊躇したということは写真に対して生半可な思いではなかったのだと思います。
とても一日とは思えないほど色々な風景・表情があり、内容が濃いと感じました。
そして10年経った現在はどうなっているのでしょうか?思いを馳せてしまいますね。
この写真展は、2023年6月16日から6月29日までソニーイメージングギャラリー銀座で、7月4日から7月9日まで京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクで開催されています。
入場は無料ですので興味がある方はぜひ足を運んでみてください。
この他にも岡田さんの写真展についての記事もアップしているので興味を持った方はそちらも読んでみてください。
それでは楽しいダイビングライフを!