大気圧
普段の生活の中で私たちの身体には空気の圧力、大気圧というものがかかっています。
普段は全く気になりませんが、台風や強風では歩くのが大変ですよね。
これは空気の力がいつもより強いということになります。
空気の圧力は、地球の引力による空気自体の重さです。
人間の身体はほとんど水分でできているという話は聞いたことがあるかと思います。
水分は圧縮されず、圧力がかかっても均等に分散されるので、私たちの身体は普段の生活で圧力を感じないというわけです。
体内には肺やサイナス(鼻の周りの空間)といった空間があり、その中と、身体の外の圧力は同じになっています。
飛行機に乗って高いところに行くと周囲の気圧の変化が起こり、身体の中の空間の体積が変化し、圧力差を違和感として感じ、耳が痛くなったり詰まったような感覚を引き起こします。
高度およそ1万メートルの上空では気圧は0.2気圧で、地上のおよそ5分の1になります。
私たちが普通に過ごしていられるのは、飛行機には気圧を調節するバルブのようなものが備わっていて、これを使い機内の気圧を地上に近い気圧まで調節しているためです。
水圧
そして、空気が圧力を持っているのと同じように、水中では水の圧力、水圧というものがかかっています。
空気と水とでは水のほうがはるかに密度が高く思いため、10m高いところへ行くのと、10m海に潜るのとでは圧力変化は水中のほうが大きくなります。
圧力と体積と密度
水中では、深度が10m増すごとに1気圧ずつ増えていきます。
水深10mでは、合計2気圧の圧力がかかっています。
20mでは大気の1気圧と水圧の2気圧で合計3気圧というように増えていきます。
空気の体積も圧力に比例して変化します。
水深10mでは、圧力は2倍の2気圧、空気の体積は2分の1になります。
20mでは体積は3分の1になります。
密度も圧力に比例して変化します。
水深10mでは、圧力が2倍になり、空気の体積が2分の1になると空気が半分に圧縮されることになり、密度は2倍になります。
今度は反対に水中から水面へ浮上していくと圧力は減っていきます。
圧力が減っていくのにともなって空気は膨張していきます。
空気を水面から10mのところへ持っていくと体積は2分の1になりそのまま水面に戻ると、膨張し元の体積に戻ります。
水中で圧縮された空気に更に空気を足した場合、圧力が減ってくるとその足した空気も合わせて膨張します。
袋を水中でいっぱいまで空気を入れ、口をしっかり密閉し浮上していくと、水面に到達するころにはその袋は空気の膨張に耐え切れずに破裂するでしょう。(水深10mで空気をいっぱいにいれたのならば2倍の大きさまで膨らむものでなくてはならない)